デイジー茶碗蒸し

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【読書40】黄色い家

 

2024年の本屋大賞にもノミネートされた1冊。ページ数が多くて分厚いので、読むのにどれだけかかるのかな?と思ったけど、どんどん読み進めて行ける凄い小説だった。

主人公の花が黄美子さんと出会い、家を出て二人の少女と4人での生活を始める。どれだけ頑張ってお金を稼いでも次々とやってくる災難。生きて行く為に危ない仕事に手を染め初めて、どんどん元に戻れなくなる様がとても怖いし、小説だけど本当にあった話なのではないかと思わせる程のリアルさ。誰一人まともな大人が出て来ない、こんな環境でまともに生活できるはずはないし、こんな主人公のような生い立ちの人が今も日本に本当にいるのではないのか、とやるせない気持ちになった。

花が過ごした10代後半の時代背景も出てくる。ちょうど私が中学生の頃の世の中の話や、その頃流行ったものが出てくるので、よりリアルさを感じた。

川上未映子さんを好きな人には絶対読んでもらいたい。