デイジー茶碗蒸し

音楽・食べ物についていろいろ

【読書40】黄色い家

 

2024年の本屋大賞にもノミネートされた1冊。ページ数が多くて分厚いので、読むのにどれだけかかるのかな?と思ったけど、どんどん読み進めて行ける凄い小説だった。

主人公の花が黄美子さんと出会い、家を出て二人の少女と4人での生活を始める。どれだけ頑張ってお金を稼いでも次々とやってくる災難。生きて行く為に危ない仕事に手を染め初めて、どんどん元に戻れなくなる様がとても怖いし、小説だけど本当にあった話なのではないかと思わせる程のリアルさ。誰一人まともな大人が出て来ない、こんな環境でまともに生活できるはずはないし、こんな主人公のような生い立ちの人が今も日本に本当にいるのではないのか、とやるせない気持ちになった。

花が過ごした10代後半の時代背景も出てくる。ちょうど私が中学生の頃の世の中の話や、その頃流行ったものが出てくるので、よりリアルさを感じた。

川上未映子さんを好きな人には絶対読んでもらいたい。

【読書39】バンギャルちゃんの老後

 

ライブ後にバンギャル仲間と「老後はこのメンツで住もう!バンギャル老人ホーム作ろう!」と言う会話から実際の老後について考えた本。と言っても自分の老後より先に親の介護があったり、その時にどう言うサービスが受けれるのか、と言った話がとても詳しく書かれていて、バンギャルヴィジュアル系ファンの名称)じゃなくても何か趣味がある人にはオススメの本。実際に親の介護をした人の話や、専門家の人が解説してくれるから、難しい話もわかりやすくてとても良かった。私もそろそろ家のことをちゃんと知っておきたいので、親にエンディングノートをお願いしたい。

【読書38】オタク女子が、4人で暮らしてみたら。

 

著者の藤谷さんのXをフォローしていてずっと気になっていてやっと読んだ。様々なジャンルのオタク女子4人でルームシェアを始める話。家族以外の人と暮らす、となるとどんな準備が必要なのか〜実際に住んでみてからの諸々が細かく書かれていて、凄く良かった。私は今家庭があるので、ルームシェアする身ではないのだけど、今一人だったらルームシェアしたいなって思うかも。あとやっぱり、一緒に住む人との相性って大きいんだろうな。ここに出てくる4人はみんなちゃんと自立してて、ちゃんと大人だからうまく行くんだろうな。ほんと、一人暮らしって家賃、光熱費とお金もかかるから、お金貯まらないし、こう言うルームシェアっていい。ルームシェアする予定がなくても読み物として凄く面白かったし、アラサー、アラフォー女性にオススメの本でした。

漫画バージョンも出てるので、そっちも読みたいな。

【読書37】うたうおばけ

表紙が気になって手に取った。くどうれいんさんの事を全く知らなくて、どんな本なのかも知らずに読んだのですが、こんなにおもろしいエッセイありますか?と思う程私にピッタリでした。まわりにいる人が面白すぎるし、それを面白いと思うように書けるれいんさんが凄いなと思った。こういう人と友達になりたい。私より年下かなと思ったけど、10歳程離れているとは思えないぐらい感覚が自分に近かった。
「面白いから読んでね」と誰かに押し付けたいぐらいです。
特に好きなのが「抜けないボクシンググローブ」
れいんさん、絵本も作ってるみたいなので、読んでみよう。

【読書36】花に埋もれる

 

綾瀬まるさんの短編集。綾瀬さんの作品は「暗い夜、星を数えて3.11被災鉄道からの脱出」しか読んだことがなかったので、初めての小説。全ての話が、どこか不思議でふわふわしていたり、悲しかったり、切なかったりした。「ふるえる」と言う話がとても好きな感じでした。

【読書35】愛は時間がかかる

 

ずっと著書を追いかけている植本一子さんのエッセイ。今回はトラウマ治療に関する記録。今までの本は日記形式だったけど、今回は誰かに語りかける手紙のような書き方でした。今までの本の中では植本さんの考えや行動は、自分にはわからない、自分ではそんなことしない、と思いながら読んでいたんだけど、この本では植本さんのパートナーに対する気持ちとか、子供の頃の経験に対して、共感したりすることが多く、ちょっとびっくりした。「誰かのつらさに、大きいも小さいもない」と言う言葉は本当にその通りだなと思う。皆んな其々違った辛さを抱えて生きているんだと思う。私もどうしても、物事に対して勝手に起こってもいない不安なことを考えてしまってしんどくなるので、少しづつ今不安なことが起こっていない、と言う時間を積み重ねて不安とうまく付き合っていきたいな。

ずっと気になってた植本さんとお母さんの関係にも変化があってちょっと安心した。お母さんとの距離感って皆んなどんなもんなんだろうな。私はお母さんに何でも話すし、相談もするんだけど、反面理解できないところや嫌なところもある。

 

これからも植本さんの本を追い続けようと思う。

【読書34】音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む

 

音声学者の川原繁人さんが、自らの子育てを通して音声学について教えてくれる本。うちは子どもの発語がなかなか出ず、言語聴覚士さんに相談していた過去もあって、言語学に興味があったので読んでみました。私は「ママ」と呼ばれるのが何だか恥ずかしくて一生懸命「お母さん」と呼ばせようとしてたんやけど、言語聴覚士さんに「お母さん」は発声しにくいから、「ママ」の方が発声しやすいよって、教えてもらいました。

子供の言い間違いや、ポケモンプリキュアのキャラクターや、メイドさんの名前に関する研究も面白かったです。個人的に調べてみたいのはヴィジュアル系バンド。なんかラ行で始まるバンドがヴィジュアル系っぽいって感じるなーとずっと思ってて(ラクリマ クリスティーとかラファエルとかラピュータとかね)。

ゴスペラーズ北山陽一さんの対談もあるのを知らずに手に取って驚き。その対談もとても良かったです。