デイジー茶碗蒸し

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【読書9】きらめく拍手の音

 韓国のイギル・ボラさんの本。彼女は耳の聞こえないろう者の両親のもとに生まれた、聞こえる子「コーダ」である。(コーダ=Children of Deaf Adults)自らの生い立ちや両親の生い立ちを交えながら、どのようにして今に至るのか、という事を綴ったエッセイ。

 ろう文化という言葉を、私は初めて知った。ろう者の生活がどのようなものなのか、今まで想像もできなかったことが、文章を通して知ることができた。ボラさんは、聞こえる世界、聞こえない世界を行ったり来たりしながら、自分とは何か?という事をずっと考え続けてきたのだと思う。

 私は、子供の頃、手話に興味があって、地域の手話教室に通ってみたことがあったけど、私のような初心者の人があまりおらず、ろう者と手話ができる聴者の滑らかで早い手話での会話に入って行けず、すぐに通うのを辞めてしまった過去があった事を思い出した。あの頃の、口で話す会話だけでなく、もっと色々な人とコミュニケーションができるようになりたい、と思った純粋な気持ちを何かに生かすことができるのだろうか。

 「きらめく拍手の音」は映画にもなっているので、いつか見てみたいなと思う。予告編でのボラさんの両親が、凄く輝いて見えた。

 自分の世界が広がった良い本でした。

 


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